米新指針 「景気回復」と「感染封じ込め」の思惑交錯

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 【ワシントン=黒瀬悦成、塩原永久】トランプ米大統領が15日、新型コロナウイルス危機で停滞する経済の再開に向け公表した政権の新指針は、自宅待機令などを3段階で緩和するよう指示するなど、「景気悪化の阻止」と「感染封じ込め」という2つの思惑が交錯する内容となった。

 トランプ氏は、11月の大統領選を控え、落ち込んだ経済の立て直しが急務だ。感染拡大を抑えるため実施された自宅待機令や集会規制で企業活動が大幅にストップ。この1カ月間の失業保険の累計申請件数は2200万件を記録した。

 トランプ氏は、全米で一斉に経済を再開させ、景気を一刻も早く元の成長軌道に戻したい意向を示してきた。ただ、保健衛生対策に関しては州が実質的な権限を握っており、各州や自治体が実施している自宅待機令などを大統領の一存で解除することはできない。

 また、各州の中でも民主党系の州知事の間で「感染の再拡大」を理由にトランプ氏の経済再開方針に抵抗する姿勢が目立ったことから、トランプ氏は「民主党が党派対立を持ち込んでいる」と反発。13日の記者会見では「大統領には全面的な権限がある」と発言し、力ずくで州政府を従わせる姿勢さえみせた。

 しかし、これには東部ニューヨーク州のクオモ知事が「国王と宣言したようなものだ」と批判したほか、身内の共和党からも疑問視する声が続出。新指針を発表した16日の記者会見では「今後も困難と課題が待ち構えている」と述べて楽観視する姿勢を封印するとともに、指針の運用を州政府に一任すると言明して歩み寄った。

 ニューヨーク州などでは感染被害が依然深刻である一方、人口が少ない中西部のモンタナ州やワイオミング州など9州は感染者が1千人未満にとどまっており、こうした州では新指針が円滑に運用される可能性が高いとみられる。

 ただ、感染者数が今も増え続けている中西部ミシガン州では、早期の経済再開を迫る住民が州議事堂前で抗議デモを展開。新指針を受け、感染者数が多い州でも再開圧力が高まる恐れがあり、一部の州知事は苦しい対応を迫られそうだ。

 政権の新型コロナ対策チームのファウチ国立アレルギー感染症研究所長は16日、経済活動の再開にこぎつけても「ゲームオーバーとはならない」と述べ、ウイルス対策が長期化する可能性に警鐘を鳴らした。

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