検索ワードからクラスター「発見」 感染拡大、ITで防げ






 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が民間企業と連携しIT技術を駆使した対策の実用化を進めている。ビッグデータを活用し「クラスター」(感染者集団)を早期発見する技術は実用化段階にあり、感染者と濃厚接触したことを携帯端末に通知する技術は来月上旬の一般提供開始を目指す。個人情報の扱いへの懸念もある中、政府は国民の理解を得て早期に実現したい考えだ。

 政府は開発チームを設置し、6日に初会合を開いた。厚生労働省や内閣府などが加わり、IT企業とも連携。ヤフーは携帯端末の位置情報や検索ワード、購入履歴のデータを利用し、クラスターを早期発見する取り組みを進める。

 例えば「発熱」「外来」など発症者がインターネットで調べる可能性の高い言葉の検索数が急増した地域を最小500メートル四方の範囲で特定。これらの区域を円形で地図上に示したデータを厚労省に毎日提供し、クラスターの疑いをリアルタイムで把握して医師や病床の確保、窓口の最適な配置を行う。利用者に情報利用への同意を求めており、同意者が一定規模を超えた段階で情報提供を始める。

 濃厚接触の通知技術はスマートフォンにアプリを設定し、利用者同士が2メートル以内で30分以上接すると無線通信(ブルートゥース)で互いのIDを記録。2週間以内に一方の感染が判明し、保健当局が情報を入力すると、もう一方の端末に知らせる。

 NTTドコモは4月から携帯の接続データを利用し外出状況の変化を示す「モバイル空間統計」を公開し、緊急事態宣言後の人出が減少していることをデータ化した。山梨大の秦康範准教授は「緊急事態宣言でさらに外出が減っている意味は大きい。宣言の効果を表している」と評価する。

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