【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利である「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を0・2%引き下げ、3・85%にすると発表した。引き下げは2カ月ぶり。中小企業などの資金繰りを支えるのが目的で、新型コロナウイルス蔓(まん)延(えん)で悪化している中国経済を下支えする考え。
2月は3カ月ぶりの引き下げに動いたが、3月は市場観測とは裏腹に据え置いていた。今月は5年物についても0・1%引き下げて4・65%にした。
LPRは金融機関の貸出金利の目安となるもので、人民銀は基本的に毎月20日に更新。今回の引き下げ幅は昨年8月に現行の方式を導入してから最大となる。
各国での感染拡大で世界経済の悪化懸念が強まる中で、中国は景気下支えの方針を強めている。中国共産党は17日の政治局会議で、利下げなどで市場の貸出金利を引き下げて中小企業を支えると表明していた。
中国の2020年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6・8%減と、四半期ベースで初のマイナスだった。近く包括的な景気刺激策が表明されると取り沙汰される。