20日付のスペイン紙パイスは、同国政府が、新型コロナウイルスの大流行による危機から経済再建を図る財源として、欧州連合(EU)で新たに1兆5000億ユーロ(約175兆円)規模の「復興基金」を設けることを提案すると決めたと伝えた。
パイスがウェブサイトに掲載したスペイン政府の19日付の文書によると、新提案は、EUが予算に関する既存の法的枠組みを通じ、永久債を発行して資金を調達、加盟国に補助金として割り当てる。各国の公的債務の水準を悪化させずに済むとしている。
EU内では、ウイルスによる被害が深刻な南欧のイタリアやスペインなどが、ユーロ圏各国で債務を分かち合う共同債を発行する案を主張してきたが、緊縮財政を重視するドイツやオランダは強く反対している。スペインは新たな案でEU内の「南北対立」の解消を図りたい考えだ。(共同)