【岩田由記夫の音楽の明日】ライブハウス 新たな挑戦は希望の光

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 音楽シーンを一本の樹に例えるなら、メジャー・レコード会社や有名ミュージシャンは、大きな花や果実にあたる。一方、収容人数10~50人の小さなライブハウスは細い根だと思う。美しい花も実も、根がないと実らないし、開花しない。山下達郎や松任谷由実らメジャー・スターも、そのキャリアの初期は小さなライブハウスからだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、ライブハウスからも感染者が出た。それをきっかけに全国のほとんどのライブハウスが、営業自粛に追い込まれている。

 庄野真(ま)代(よ)やカルメン・マキ、鈴木聖美(きよみ)らも出演する東京・大岡山のライブハウス「グッドストックトーキョー」の新見(しんみ)知明(ともあき)氏によれば、3月から家賃の支払いもままならないという。

 グッドストックトーキョーは、エレキ楽器はほとんど使わず、ロックバンドの演奏のない大人向けアコースティック・ライブハウスで、客と客の間もかなり離れている。それでも行政の要請もあり、店の灯は消えたままだ。

 そんな中、グッドストックトーキョーのような小規模ライブハウスが模索し始めているのが無観客のステージでミュージシャンに演奏してもらい、それを動画で配信し、課金によって収入を得る方法だ。

 ただ、複数台のカメラや配信のノウハウが必要で、外注すると安くても4万円近く経費がかかる。集客数30人程度では採算がとれない。そこで、新見氏のような小規模ライブハウスのオーナーたちは、自らの手で動画を配信する方法を探り始めた。小さなライブハウス同士の連携も始まった。

 ライブハウスは現在、危機的状况にある。だが、このシステムが完成すればメリットもある。新型コロナが収束した後、集客に加えて動画配信からの収入も見込めるからだ。暗い世界の中のほのかな希望の光といえる。(音楽評論家)

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