楽天は20日、新型コロナウイルスを検出できるPCR検査キットを法人向けに販売すると発表した。企業が社員に使うことなどを想定している。感染拡大防止に一定の効果は見込めるものの、医療行為ではないため、感染の有無を確定させる診断には使えないといい、混乱をもたらす可能性もある。
検査キットは楽天の出資先で遺伝子検査を手掛けるジェネシスヘルスケア(東京)が開発。検査キットを使って採取した検査試料を、社内に置かれた回収箱に入れておけば、ジェネシスの担当者が回収して検査、数日後に結果が届く。結果はあくまで感染の可能性を示すもので、最終的に感染の有無を判定するには医師の診断が必要となる。検査結果の通知先を企業にするか個人にするかは、企業側が選択できる。企業への通知の場合、個人情報をどう保護するかも課題だ。
価格は1セット1万4900円。当初は関東の企業を中心に販売し、医療態勢への影響などを踏まえながら来月以降に提供地域を順次拡大する。ただ、発熱が1週間近く続くなど、明らかに感染が疑われる人は帰国者・接触者相談センターへの相談を勧めている。