政府、「補償」の言葉に抵抗感 10万円給付超す財源規模も懸念

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西村康稔経済再生担当相は損失補填を行っている国は「(世界で)見当たらない」として、休業損失の穴埋めを改めて否定している(春名中撮影)

西村康稔経済再生担当相は損失補填を行っている国は「(世界で)見当たらない」として、休業損失の穴埋めを改めて否定している(春名中撮影)

 政府が休業要請に応じた企業に損失を直接補填(ほてん)する「休業補償」に否定的なのは、「財源がいくらあっても足りない」(経済官庁幹部)ことが主な理由とみられる。ただ、緊急経済対策には収入の減った個人事業主や中小企業に現金を給付する「持続化給付金」など、事実上、休業補償に近い制度も盛り込まれている。政府が休業補償に消極的なのは、非を認めて補填する「補償」という言葉に強い抵抗感があるのではないかという指摘もある。

 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストによれば、緊急事態宣言で当初対象地域となった7都府県での「不要不急」の消費だけでも1カ月で6・8兆円程度に上り、休業要請の対象となる企業が失う利益の総額も数兆円単位に上ると予想される。

 事業者の損失額の正確な捕捉は難しく、補償の際に水増し請求が増える恐れもある。こうした中、政府が休業補償に後ろ向きなのは、12兆円超を要した一律10万円給付を上回る財源規模が予想されるからだ。

 一方、緊急経済対策の中に盛り込まれた「持続化給付金」では、収入が半減などした場合、中小企業に200万円、個人事業主には100万円を上限に減少額を給付する。休業して収入がゼロになった場合も「制度は使える」(中小企業庁)ため、収入が上限の範囲内であれば実質的に休業補償と大きな違いはない。

 西村康稔経済再生担当相は11日の会見で、損失補填を行っている国は「(世界で)見当たらない」として、休業損失の穴埋めを改めて否定している。

 実際、損失をすべて補填するという狭い意味での休業補償は、主要国では取り入れられていないようだ。例えば、ドイツでは従業員5人までの企業や個人事業主には最大9千ユーロ(約105万円)、10人までの場合は最大1万5千ユーロ(約175万円)を支給するが、いずれも上限がある。

 では、日本政府は休業補償に近い制度にも関わらず、なぜ「給付金」という言葉を使うのだろうか。

 政府が強くこだわっているのは「補償という言葉ではないか」(野村総研の木内氏)という指摘がある。違法行為を償う「賠償」とは異なるとはいえ、それでも「補償」では何らかの瑕疵(かし)を認めたことになりかねないからだ。“お役所的”な発想で「補償」という言葉を避けていることが、制度を分かりにくいものにしている可能性もある。

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