参院選激戦区の行方:岡山、与野党幹部が終盤戦で熾烈な支援合戦

夏の参議院選挙が終盤戦に差し掛かる中、全国32の「1人区」では与野党が激しい攻防を繰り広げています。特に、勝敗を左右する要衝には各党の幹部が相次いで応援に駆けつけ、自陣候補のテコ入れに全力を挙げ、まさに激戦区の様相を呈しています。本稿では、注目度の高い岡山選挙区の情勢と、各陣営の戦略を詳しく報じます。

岡山選挙区:立憲民主党・国友候補の挑戦

「岡山は激戦区の中の激戦区だ。ついこの間も来たけれど、心配で心配で」。立憲民主党の野田代表が7月13日、岡山市内で開かれた演説会でこう語ると、集まった数百人の聴衆からは共感の笑い声が漏れました。続いて登壇した国友彩葉候補は、「衆院選で少数与党にした流れを止めない。一緒に政治を動かしてください」と力強く訴えかけました。

国友候補は岡山市議を2年間務めた後、今回は党の最年少候補として国政に初挑戦します。野田代表は2月の国友候補の出馬会見に同席するなど、その成長に目をかけてきました。さらに、6月に市内で開催された連合岡山の集会では、「長男と同い年。もう『千葉のおやじ』のつもりだ」と親身な言葉を投げかけ、7月17日にも岡山入りを予定するなど、異例の熱心さで支援を続けています。

岡山選挙区では、2007年の参院選で旧民主党新人の姫井由美子氏が自民党のベテラン・片山虎之助氏を破り、「姫の虎退治」として全国的な注目を集めました。2013年以降は自民党が勝利を収めていますが、国友陣営幹部は「18年前と同じで女性候補。あの逆転劇への流れを再び引き寄せたい」と意気込みを語り、最後まで希望を捨てずに票の掘り起こしに注力しています。

参院選岡山選挙区に立候補した主要候補者たちの写真参院選岡山選挙区に立候補した主要候補者たちの写真

自民党・小林候補の盤石な基盤と政権批判への対策

一方、自民党は7月15日、石破首相が岡山県倉敷市の複合施設で開かれた演説会に駆けつけ、「日本中、本当に厳しい選挙を戦っている。なんとしても負けられない」と力を込め、支持を訴えました。会場は満員で立ち見が出るほどの盛況ぶりを見せ、石破首相の前に壇上に立った小林孝一郎候補は、旧民主党政権を念頭に「あの時代に時計の針を逆戻りさせるわけにはいかない。力を貸してください」と声を張り上げました。

小林候補は不出馬を表明した現職の後継として、昨年11月に擁立が決定しました。医師として、また県議としても10年以上のキャリアを持つベテランです。元同僚の県議や、推薦を受ける公明党の比例候補らとともに、県内27市町村をくまなく回る徹底した「どぶ板選挙」で足場を固めてきました。県医師会や医療福祉団体など、推薦状を得た企業・団体は約1400に上り、その組織票は盤石な基盤となっています。

陣営関係者は、「政権批判の風を受けやすい都市部を中心に、最後まで票の掘り起こしをする」と述べ、油断なく選挙戦を進めています。最終盤に向け、SNSの投稿を強化するなど無党派層の取り込みを図っており、7月16日には知名度の高い小泉進次郎農相も応援に訪れるなど、総力戦で勝利を目指しています。

まとめ

参院選終盤の岡山選挙区では、立憲民主党の国友彩葉候補が「逆転劇」を狙い、野田代表の熱心な支援を受けながら支持拡大を図っています。対する自民党の小林孝一郎候補は、石破首相や小泉農相の応援を得て、強固な組織票と「どぶ板選挙」で盤石な態勢を築きつつも、都市部の無党派層へのアプローチも強化しています。両陣営とも、選挙期間の最後まで一票一票の「票の掘り起こし」に尽力しており、その熾烈な戦いは、まさに日本の政治の縮図を映し出しています。


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