NY州の抗体検査で約14%が陽性 推定270万人が感染か





米東部ニューヨーク州のクオモ知事(右)=AP

 【ニューヨーク=上塚真由】米東部ニューヨーク州のクオモ知事は23日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染歴の有無を調べる抗体検査を3千人に実施した結果、約14%が陽性だったことを明らかにした。州の感染者は22日の時点で約26万3千人と発表されているが、州全体の人口から単純計算した場合、発表の10倍の約270万人に上るという。

 感染の実態を把握するため抗体検査が米国で大規模に実施されたのは初めて。州政府は、外出規制の緩和や企業活動の再開時期の判断材料とするため、検査数を2万~4万件まで拡充する方針。一方で専門家からは、抗体検査の信憑性(しんぴょうせい)を疑問視する声も上がっている。

 抗体検査は19日から、州内各地のスーパーなど計40カ所で無作為に3千人を抽出して実施。全体の13・9%が陽性で、ヒスパニック(中南米)系22・5%▽黒人22・1%▽アジア人11・7%▽白人9・1%-と人種間で大きな差が出た。また、人口で単純計算した場合、陽性反応が出た人のうちの死亡率は推定約0・5%と低くなったという。

 大都市のニューヨーク市では、人口の5人に1人以上となる21・2%が陽性だった。同市と近郊の地域はいずれも10%を超える高い数値となったが、州の他の地域は4%以下にとどまり、クオモ氏は外出制限の緩和を地域ごとに検討する可能性を示唆した。



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