北京で約3カ月ぶりに学校再開 高校3年生から段階措置





27日朝、約3カ月ぶりに再開された北京市内の高校。校門前では体温測定や消毒作業が行われるなど警戒態勢がとられていた(三塚聖平撮影)

 【北京=三塚聖平】中国の北京や上海で27日、新型コロナウイルス流行の影響により登校を取りやめていた学校が約3カ月ぶりに一部再開した。同日には、副首相率いるチームが感染源となった湖北省を離れるなど、社会・経済の正常化に向けた動きが目立っている。ただ、ぬぐい切れない「感染第2波」の懸念もあって、再開した学校では感染対策の徹底など厳戒態勢がとられている。

 北京では同日、受験を控えている高校3年に限って登校が可能になった。中学3年は5月11日から再開の予定。上海では27日に高校3年と中学3年の授業が始まった。地方都市では、既に学校再開の動きが進んでいる。

 27日朝、北京市中心部にある高校では、校門で生徒の体温測定が行われていた。付近には防護服で完全防備した係員や警察官の姿が目立つなど物々しい雰囲気だった。校門前に止められた救急車に、校内から連れ出されたジャージー姿の生徒が搬送される一幕もあった。

 校門前で登校の様子を見守っていた近くに住む女性は「あの生徒は熱があったようだ」と言い、「学校が始まったのは良かったが、こういう光景を見ると少し心配になる」と話した。

 中国メディアによると、学校内では教室や食堂で生徒の間隔を離すといった措置がとられ、北京市当局は校内で複数回の体温測定を求めている。また、健康状態を示すスマートフォンのアプリの結果について、両親など同居家族全員分を提出させている学校もあるという。

 一方、国営新華社通信は27日、湖北省に派遣されていた孫春蘭(そん・しゅんらん)副首相率いる共産党中央の指導グループが北京に戻ったと伝えた。26日には武漢で入院中の患者が0人になったと発表するなど、習近平指導部は沈静化を強調している。

 ただ、北京では小学校の登校再開のめどが立たず、インターネットを使った授業が続く。感染再流行の懸念から学校再開も慎重に進められているのが現状で、正常化への道のりはまだ険しいとみられる。



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