東京電力は29日、福島第1原発1、2号機の共用排気筒の上半分を切断し、約60メートルの高さにする作業を完了した。排気筒の支柱の複数箇所で破断が見つかり、倒壊の危険を減らすために昨年8月から作業を進めていた。
排気筒は平成23年3月の原発事故の際、1号機の原子炉格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」に使用された。今後、筒の内側に雨水が入るのを防ぐため上部にふたを取り付ける。
約120メートルあった排気筒を上端から約3メートルずつ輪切りにし、地上に下ろす作業を計23工程に分けて実施。福島県広野町の建設会社「エイブル」が元請け業者となり、作業を担った。作業員の被曝(ひばく)を抑えるため、ほぼ全てが遠隔操作で行われた。