【経済インサイド】コロナ禍直撃のANAホールディングス、政府も支援スキーム策定へ

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全日本空輸は、上海発羽田行きの旅客機の座席を活用して医療用貨物を運搬した=4月22日(全日本空輸提供)

全日本空輸は、上海発羽田行きの旅客機の座席を活用して医療用貨物を運搬した=4月22日(全日本空輸提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、令和3年3月期の業績見通しが未定となったANAホールディングス(HD)の先行きに注目が集まっている。新型コロナは世界各国の航空会社に未曾有の危機をもたらし、イタリアの航空会社が完全国有化の見通しとなるなど、感染拡大の収束が遅れれば、強力な政府支援なしでは立ち行かなくなるケースが増えるとみられる。ANAHDは当面の資金繰りの不安がないものの、自立経営を続けるための次の一手が急がれる。

 4月28日、ANAHDが開いた決算会見。2年1~3月期の連結最終損失は587億円の赤字で、四半期実績の開示を始めて以来、最大の赤字幅となった。福沢一郎常務は「民間会社としてしっかりと自立経営を最優先に社会貢献をすることが使命だ。そういった立場を考えて、今後の経営に当たっていきたい」と述べ、業績の回復に向けて「自助努力」を強調した。

 傘下の全日本空輸は、余剰旅客機の客室の荷物棚や座席を活用した貨物輸送を本格的に始めた。従来の生鮮食品や機械部品に加えて需要が高まっているマスクなど医療関連の物資を運ぶ。22日には上海から羽田まで、座席に貨物を載せた旅客機が初飛行した。

 新型コロナで航空需要が激減する中、当面の資金繰りについて不安はないのか。福沢氏は会見の中で、「まったく問題ない」と強調。4月に1000億円を借り入れた上で、融資枠について、従来の1500億円に加えて新たに3500億円の契約を締結したほか、政府系金融機関の危機対応融資として3500億円を借り入れることで、「9500億円が間もなく手当てできる」と説明した。

 一般的に、航空会社は機材のリース料や人件費などの固定費の比重が大きく、運賃収入が一気に落ち込むと急速に資金繰りが厳しくなる。ANAHDの場合、手元資金の約2400億円に9500億円を加え、1年以内に返済する必要がある有利子負債を差し引くと、1兆1000億円余りを確保できる。運航が全便止まって収入がゼロになったとしても、人件費や機材費などの固定費を含めて毎月1000億円超が必要となるので、少なくとも今年の年末までは資金繰りが可能ということになる。

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