米グーグルの持ち株会社アルファベットが28日発表した2020年1~3月期決算は、売上高が前年同期比13%増の411億5900万ドル(約4兆4000億円)、最終利益が3%増の68億3600万ドル(約7200億円)だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で広告収入が失速し、増収率は低調に終わった。
売上高の伸びは15年7~9月期(11%増)以来、4年半ぶりの低水準だった。1~2月は好調だったが、3月に入って全米で外出制限が広がり、経済活動が停滞。景気に連動しやすい広告収入が勢いを欠いた。
売上高の8割超を支えるグーグルの広告事業が10%増の337億6300万ドル。動画投稿サイトのユーチューブの広告収入が33%増の40億3800万ドルと大きく伸びた。外出制限で消費者が自宅で過ごす時間が増え、ユーチューブの利用機会が増加する“特需”が奏功した可能性がある。
クラウドサービスは52%増の27億7700万ドル。
同社は、新型コロナの景気への打撃が大きくなる4~6月期について、「広告事業には困難な時期になると見込んでいる」(ポラット最高財務責任者)としている。(ワシントン 塩原永久)