感染防止へ「新たな日常」 緊急事態宣言31日まで延長





緊急事態宣言の延長が決まり、国民に対しさらなる協力を呼びかける安倍晋三首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)

 政府は4日、首相官邸で開いた新型コロナウイルス感染症の対策本部会合で、6日に期限を迎える緊急事態宣言を対象区域を全国としたまま31日まで延長することを決め、効力が発生した。安倍晋三首相は記者会見し、当初の期限で解除できなかったことについて「責任を痛感している」と陳謝した。14日に専門家に分析を求め、地域によって前倒しで解除が可能か判断する方針を示した。

 政府は、宣言の対象として感染拡大防止のために強い措置を行う東京都など13の「特定警戒都道府県」を維持した。追加も検討したが、直近の新たな感染者数が落ち着いていたため見送った。それ以外の34県では、感染対策を講じることを前提に経済活動を段階的に再開させる。

 首相は期間の延長幅について「医療現場の逼迫(ひっぱく)した状況を改善するためには、1カ月程度の期間が必要だと判断した」と説明。新規感染者数に関しては、1日100人超が回復しているとして「その水準を下回るレベルまで減らす必要がある」と述べた。その上で「可能であれば期間満了を待つことなく緊急事態を解除する考えだ」と語った。

 首相は「コロナの時代の新たな日常を一日も早く作り上げなければならない」と述べ、政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)が4日にまとめた感染防止の「新しい生活様式」を指針とするよう求めた。2週間後をめどに、業態ごとに詳細な感染予防策の指針を発表することも明らかにした。

 首相は治療薬の有力候補とされる国産の新型インフルエンザ薬「アビガン」について、今月中にも薬事承認を目指す方針を表明した。感染の有無を調べるPCR検査体制を拡充する。

 与野党内は事業者らへの追加的な経済支援を求めている。首相は家賃負担の軽減やアルバイト学生の支援などを挙げ「速やかに追加的な対策を講じる」と述べた。全国一律10万円の現金給付を今後追加的に行うかに関しては「事態の推移、状況を十分見極めながら判断したい」と述べた。

 改正新型インフルエンザ等対策特別措置法の罰則強化を含めた改正に関し「どうしても必要な場合は検討されるべきだが、今は都道府県と協力しながら進める」と述べた。

 会見に先立ち、政府は専門家会議や対策本部の有識者からなる「基本的対処方針等諮問委員会」(会長=尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)を開き、今後の措置などについて議論した。



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