【主張】検察庁法改正案 疑念もたれぬ説明尽くせ

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 検事長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案をめぐり、衆院内閣委員会が紛糾している。

 政府・与党は週内にも衆院を通過させたい方針だが、新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中で、野党側は「火事場泥棒だ」などと反発している。これに多くの芸能人らがツイッターへの投稿で参戦して、論争は茶の間にも飛び火している。

 事実の整理が必要である。

 コロナ対策を優先すべきだとの批判は当たらない。重要法案であればいくらでも並行して審議することは可能である。

 改正案は検事総長以外の検察官の定年を現在の63歳から65歳に段階的に引き上げ、63歳に達した次長検事と検事長らは役職を外れる「役職定年制」を設けるというものだ。これは国家公務員法の改正に伴うもので、野党も基本的に反対はしていない。

 問題は特例として、内閣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めた場合、引き続き次長検事や検事長を続けられると定めたことだ。これに野党などは「内閣が恣意(しい)的に人事介入できる」と反発している。

 しかもこの特例は、黒川弘務東京高検検事長の定年を半年間延長するという前例のない閣議決定が行われた直後に加えられた。森雅子法相がいくら「東京高検検事長の人事と今回の法案は関係ない。法案自体は数年前から検討されていた内容で問題ない」と強弁しても、疑いは簡単に晴れない。

 そもそも森法相は内閣委の審議に参加していない。「国民の誤解や疑念に真摯(しんし)に説明したい」というなら、検察庁法の改正案は内閣委から分離して法務委員会で審議することが筋である。

 黒川氏の定年延長について森法相は2月、「検察官としての豊富な経験知識等に基づく部下職員に対する指揮監督が不可欠であると判断した」と述べた。

 こうした属人的判断が改正案の特例に反映されるのか否かが問われている。疑念をもたれぬ説明を尽くすには、法務委での審議が必要だろう。

 検察は捜査や公判を通じ、社会の安全と公平、公正に重大な役割を担う。時に捜査のメスは政府・与党に及ぶこともある。検察がその仕事を全うするには、国民の信用、信頼が欠かせない。それは政治も同様である。

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