楽天、トラベル事業など大打撃 1~3月期の最終赤字353億円

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楽天は13日、令和2年1~3月期連結最終損益が353億円の赤字(前年同期は1049億円の黒字)だったと発表した=東京都世田谷区(佐藤徳昭撮影)

楽天は13日、令和2年1~3月期連結最終損益が353億円の赤字(前年同期は1049億円の黒字)だったと発表した=東京都世田谷区(佐藤徳昭撮影)

 楽天は13日、令和2年1~3月期連結最終損益が353億円の赤字(前年同期は1049億円の黒字)だったと発表した。4月に本格参入した携帯電話事業への先行投資が重荷になっている。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす苦境にも直面しており、「楽天トラベル」やスポーツ事業が大打撃を受けているほか、携帯やインターネット通販など中核事業にも影を落とし、収益改善の道のりは険しくなっている。

 「多様なビジネスを持つ楽天のエコシステムは強い」。三木谷浩史会長兼社長は13日の決算会見で強調した。新型コロナによる厳しい経営環境下でも強気な三木谷節は健在だった。

 だが、1~3月期は最終赤字に沈む結果に。楽天は金融やネット通販などを中心に70以上の幅広いサービスを手がけるだけに、新型コロナの影響を受けやすい側面があるのは否めない。

 巣ごもり消費の拡大でネット通販は収益を伸ばしたが、外出制限による旅行需要減少で楽天トラベルが大きくマイナス影響を受け、国内通販を除いたネットサービス事業は赤字に転落。プロ野球やJリーグの試合が中止になっているスポーツ事業の収益も厳しい。三木谷氏も「残念ながら、そんなに簡単に回復が見込めない」と苦境が続くとの見方を示した。

 こうした中、主力事業でも先行き不透明感が強い。携帯事業参入は新型コロナの感染拡大と重なり、初日から販売店の臨時休業を余儀なくされた。大手3社の半額以下の料金で顧客を切り崩し、早期の300万人の契約獲得を目指す三木谷氏は現状について「ほぼ想定通り」とするが、実際は「出足は鈍い」との指摘もある。通信網が弱く、人気機種のiPhone(アイフォーン)にも未対応といった課題が山積しており、事業が軌道に乗るには時間がかかりそうだ。

 しかもネット通販「楽天市場」にも揺らぎが生じている。楽天は3月に導入した一定額以上を購入すれば送料が無料になる新ルールをめぐって一部の出店者と対立し、楽天市場から退店する店舗も出てきた。アマゾンなどとの競争激化への危機感から見直しは不可欠とみるが、混迷が続くとブランドイメージや競争力が落ちて、コロナ禍によるネット通販への追い風に水を差しかねないリスクもくすぶっている。

 楽天の戦略は携帯事業での当面の赤字を覚悟のうえで、スマートフォンを入り口にグループの多様なサービスを利用してもらい、顧客を楽天経済圏に囲い込む狙いだ。しかし屋台骨を支えるネット通販の混乱はその戦略を狂わせかねない。

 新型コロナによる経営の難局が顕在化しつつある中で、三木谷氏は主力事業の順調さを13日の会見でアピールした。携帯事業では通信エリアの拡大に向けて基地局整備を加速し、来年3月までに自前の基地局による人口カバー率70%を達成する目標を打ち出した。また、ネット通販では送料無料を導入した出店者が全体の約80%に達し、未導入店舗と比べて売り上げを伸ばしていることも明かした。(万福博之)

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