茨城、愛知、岐阜、福岡、石川の5県 緊急事態宣言解除へ 計39県で前倒し





出邸する安倍晋三首相=13日午前、首相官邸(春名中撮影)

 政府は14日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を開き、今月末まで延長した緊急事態宣言について、一部地域の解除を決める。同日開く専門家会議の見解を踏まえ、重点対策が必要な13の「特定警戒都道府県」のうち、茨城、愛知、岐阜、福岡、石川の5県を解除する方向だ。特定警戒に該当しない34県と合わせ、計39県を前倒しで解除対象とする。

 「特定警戒」のうち解除する方向となった5県は、新規感染者数が少ないことや、医療提供体制にも比較的余裕があることも加味し、解除する方向となった。西村康稔経済再生担当相は13日の記者会見で、5県について、最終的には14日朝の専門家会議の提言などを踏まえる意向を示しながらも「かなりのスピードで新規感染者の数が減少している」と語った。

 一方、医療体制が逼迫(ひっぱく)している東京都や感染拡大の「第2波」が押し寄せた北海道などは、解除を見送り、「最低7割、極力8割」の接触機会の削減など従来通りの対策を求める方針を基本に据える。

 政府はどの地域を解除するか、14日に開く専門家会議と諮問委員会の見解を踏まえて最終判断する。さらに21日をめどに再び専門家会議を開催し、残る地域について協議する方針だ。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で「宣言が解除になった後も、有効な治療薬やワクチン開発まで感染防止の取り組みに終わりはなく、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図る必要がある」と指摘した。

 宣言を解除した地域でも、感染の収束までは持続的な対策が必要になる。政府は「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗い」といった基本的な感染対策の継続を含め、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の定着の徹底を求めていく考えだ。



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