トランプ氏が国務省監察官を解任 民主党「国務長官の疑惑隠し工作」として調査を要求





15日、ホワイトハウスで記者団に話をするトランプ米大統領(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は15日、国務省で職務規律違反などを内部調査するリニック監察官について「全く信頼が置けず解任した」とする通知を議会に送付した。NBCテレビによると、リニック氏はポンペオ国務長官が政治任用職員を私的な用事に使っていた疑惑などに関し調査していたとされ、民主党は「疑惑隠しの工作だ」と追及する構えを強めている。

 ロイター通信などによると、トランプ政権高官は16日、トランプ氏はポンペオ氏の助言によりリニック氏を解任したと明らかにした。

 これに対し、下院外交委員会のエンゲル委員長と上院外交委のメネンデス筆頭理事(いずれも民主党)は16日、トランプ氏がリニック氏を解任した経緯に関し調査を始めたとする声明を発表した。

 声明は解任について「大統領の最も忠実な部下の一人である国務長官の擁護を図った許しがたい行為だ」と非難し、ホワイトハウスと国務省に対し、解任問題に絡む全ての記録を保管し、22日までに両委に提出するよう要求した。

 トランプ氏は、ウクライナ疑惑の内部告発を議会に報告した情報機関担当のアトキンソン監察官を4月に解任。今月には新型コロナウイルス対策に関し検査キットや防護用具の深刻な不足を指摘した厚生省のグリム監察官を解任し、民主党勢力などから「政権監視の制度を侵害している」と反発の声が上がっている。



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