台湾の総統 2期目の就任式前に中国が圧力

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台湾の蔡英文総統
台湾の蔡英文総統

 【台北=矢板明夫】1月の総統選で再選された台湾の蔡英文総統は20日、2期目の就任式を行う。米中対立が本格化するなか、親米路線を鮮明に打ち出す蔡氏が就任演説で中国についてどう言及するのかが最大の焦点だ。就任式を控えた15日には台湾の総統府のコンピューターがハッキングされ、機密文書が流出する事件が明らかになった。中国によるサイバー攻撃の可能性があると指摘されている。同時期に中国軍は台湾攻略を想定した複数の軍事演習を実施、中国に不利な演説内容を入れないよう蔡氏への圧力を強化している。

 15日夕、総統府を担当する台湾メディアの記者らに、差出人「SERLO」の不審なメールが届いた。4月に行われた蔡氏と蘇貞昌行政院長(首相に相当)の会談の記録や、昨年に民進党内で実施された総統候補の予備選挙における蔡陣営の作戦会議の記録などが大量に添付されていた。その後、一部の内容はインターネットにアップされた。

 総統府は15日、コンピューターがハッキングされたとして、警察に通報したほか、各メディアに対し「会議記録の一部が改(かい)竄(ざん)されており、事実と異なる」と伝え、引用しないように注意を促した。会議記録には閣僚や党幹部の評価など機微な内容が多く含まれている。民進党関係者は「中国のネット部隊が総統就任式の関連資料を盗もうとしてハッキングし、誤って会議録を入手した可能性がある」と分析したうえで、あえて流出させたのは「民進党を混乱させるためだ」と説明した。

 一方、中国軍は14日から、北部の渤海で大規模な軍事演習を開始した。渤海湾の一部の地形は、台湾の北部の海岸と似ており、台湾上陸作戦を想定した演習だと指摘する声もある。

 新型コロナウイルスで防疫に成功した蔡氏の演説には世界中から高い関心が寄せられているだけに、中国当局は「憲法改正」「住民投票」など台湾独立に向けた具体的な動きへの言及を強く警戒している。

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