厚生労働省は20日、同日正午から始める予定だった「雇用調整助成金」のオンライン申請のシステムに不具合が発生したと明らかにした。復旧のめどは立っておらず、原因を調査中という。
厚労省によると、申請を試みた人が他人の個人情報を一時的に閲覧できたケースが複数あった。情報漏えいの恐れがあるとして調べている。20日中は復旧できないとの見通しを示した。
雇用調整助成金は業績が悪化した企業が従業員を休ませた場合に支給する。新型コロナウイルスの感染拡大で申請が増えており、オンライン化は企業側の負担軽減と各労働局の窓口の混雑緩和が狙いだった。
オンライン申請は、メールアドレスと携帯電話番号を登録した上で申請書類を読み込ませる仕組み。加藤勝信厚労相が19日の記者会見で「事業主の申請手続きの負担軽減が図られ、助成金の活用によって雇用を守ることにつながると期待している」と述べていた。