世界成長率マイナス5%も 世銀総裁が見通し


 【ワシントン=塩原永久】世界銀行のマルパス総裁は19日、2020年の世界経済の実質成長率がマイナス5%になる可能性があるとの見通しを示した。新型コロナウイルスの世界的流行が途上国に深刻な打撃を及ぼし、「6千万人が極度の貧困に追い込まれる」と述べ、途上国支援の拡充を訴えた。

 国際通貨基金(IMF)は4月上旬、20年の成長率をマイナス3・0%と予測した。ただその後、経済データが一段と下振れしており、「見通しが悪化している」(IMFエコノミスト)として下方修正する可能性が強まっている。

 マルパス氏は19日の記者会見で、世銀による緊急支援の対象国が途上国を中心に100カ国に達したことを明らかにした。ロイター通信によると、一部の途上国は20カ国・地域(G20)の枠組みで合意した最貧困国の債務救済策の活用に消極的だという。自国の格付けが下がる懸念があるためだといい、マルパス氏は会見で、こうした国々に貸し出す民間債権者の協力が不十分だと不満を示した。



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