衆院憲法審査会の新藤義孝与党筆頭幹事(自民党)と山花郁夫野党筆頭幹事(立憲民主党)は20日、憲法審を定例日の28日に開き、自由討議を行うことで合意した。開催されれば今国会で初めてで、憲法改正手続きに関する国民投票法改正案について協議する。21日の幹事懇談会で正式に決定する。6月4日、同11日も開催する方向で調整している。ただ、与党は当初、21日の憲法審開催を提案していただけに、6月17日の会期末までに改正案が成立するかは不透明だ。
昨年の臨時国会まで5国会連続で継続審議となっている改正案について、自民、公明両党の幹事長は19日、今国会での成立を期す方針を確認した。これに対し、立民など野党4党の国対委員長は20日朝の時点で、今国会での成立方針を撤回しない限り憲法審に応じない考えを示していた。
インターネット上では20日にかけて「#国民投票法改正案に抗議します」とのハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が急増。ツイッターの反対運動を背景に検察庁法改正案を今国会成立断念に追い込んだ野党が、“二匹目のどじょう”を狙ったとの見方もあった。
野党が一転して憲法審の開催に応じた背景について、新藤氏は記者団に「開催できない(合理的な)理由が見つからなかった」と指摘した。新藤氏は採決ありきではないとの考えを示す一方、「審議を尽くせば採決するのは当然だ」とも語った。ただ、会期末までの機会は限られており、与党の「強硬姿勢」を糾弾するために野党があえて開催に応じた可能性は否定できない。
今回の国民投票法改正案は、大規模商業施設での投票を認めるなど利便性を高めるのが目的で、現行法でも憲法改正の是非を問う国民投票は実施できる。