三菱重工業は、子会社が開発を手掛ける国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)事業の人員を大幅に削減することが22日、分かった。令和3年度以降に納入を目指している90席級の初号機の量産計画を縮小する見通し。新型コロナウイルス感染拡大で航空機需要が落ち込んでいることを受けた措置。
新規事業の柱と位置付けたジェット旅客機生産は早期の収益化が困難になりつつある。三菱重工は2年3月期の決算会見で、スペースジェット事業の開発費を元年度の約1400億円から2年度は約600億円に縮小する方針を明らかにしていた。関係者は「予算の中で開発する必要があり、ある程度の縮小は避けられない」としている。
三菱重工はスペースジェットに関し、これまで6度の納入延期を表明している。現計画では90席級の機体を完成させた後、北米で高い需要を見込める70席級の新機種も開発すると掲げていた。