米紙ワシントン・ポスト電子版は22日、トランプ政権の安全保障担当者らが核実験の再開について議論したと伝えた。核軍縮の新たな枠組み作りに消極的な中国やロシアを牽制(けんせい)する狙いだが、結論は出なかったもよう。実施すれば1992年の地下核実験停止以来で、国際的な核開発競争が激化すると懸念されている。
同紙によると、中国やロシアが核爆発を伴う実験をした可能性があるとトランプ政権が見ている点を踏まえ、15日の政府高官の会議で議論した。核兵器の研究・製造・実験を担当する核安全保障局(NNSA)の反対が強かったという。
米国は冷戦時代、1000回以上の核実験を繰り返したが、92年に停止。97年から代替措置として核爆発を伴わない臨界前核実験などの先端技術を使って核兵器の性能を維持する政策を取っている。(共同)