誤解招く「Tokyo」 茨城空港の新愛称案に批判も





3月に開港10周年を迎えた茨城空港(茨城県提供)

 開港10周年を迎えた茨城空港(茨城県小美玉市)の愛称変更に関する有識者会議(WEB会議)が28日開かれ、国内では「茨城空港」の愛称を継続し、海外向けには「Tokyo Ibaraki International Airport」を最終候補案とすることが決まった。最終案は大井川和彦知事に提出され、庁内の検討を経て6月上旬に正式決定する見通し。(永井大輔)

 会議は大学教授や航空会社、旅行業界の関係者ら9人で構成し今回で3回目。これまで、国内向けには「茨城空港」を継続し、海外向けには従来の「Ibaraki Airport」から、国際セールス力を高めるために「Tokyo」などを冠した6つの候補を提案していた。5月22日まで行われたパブリックコメントの意見も踏まえ、全会一致で「Tokyo Ibaraki International Airport」を最終候補案に決定した。

 主な理由として座長の戸崎肇桜美林大学教授は、国際的に認知度のある東京と茨城が同時に観光できる位置関係にある点や、名称に「International」を入れることで国際線に対応している印象付けができる点を挙げた。

 60人の応募があったパブリックコメントでは、国内向けの愛称継続にはほぼ賛同を得られたというが、海外向けについては「東京と茨城は隣接していない」「誤解を招く」など批判的な意見も少なくなかったという。

 戸崎教授は「国際的にみれば茨城と東京は一度に観光できる距離」とした上で、「海外向けのPRでは、東京と茨城の距離について誤解のないよう丁寧に説明していく必要もある」と説明した。

 茨城空港は現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内線と国際線の全便が運休している。茨城県は感染収束後の外国人観光客誘致に向けて、国際的な認知度を高めたい考え。県の担当者は「茨城が生き残るためにも海外との交流人口の増加は重要。候補案を県として重く受け止めて手続きを進めたい」と話している。



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