新型コロナ、年金論議にも影響 改革積み残しも

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年金制度改革関連法が賛成多数で可決、成立した参院本会議=29日午前

年金制度改革関連法が賛成多数で可決、成立した参院本会議=29日午前

 昨年公表された5年に1度の年金財政検証を踏まえた年金制度改革は、29日に関連法が成立したことで一つの区切りを迎えた。衆参両院の厚生労働委員会では新型コロナウイルス感染症に関する質疑が中心となり、年金に関する論戦は低調に終わった。新型コロナ対策が最重要なのは間違いないが、長期的視点に立ったとき、少子高齢化という現実に目を背けるわけにもいかない。積み残された課題はまだある。

 今回の年金制度改革の最大の目玉は、厚生年金のパートら短時間労働者への適用拡大だ。政府は当初、現行「従業員501人以上」という企業規模要件の撤廃を目指していた。年金財政を安定させるためにも、労働者が将来受け取る年金を底上げするためにも適用拡大は必要な政策だ。企業規模によって加入できる人と、できない人が存在する合理的な理由もない。

 だが、適用拡大に対し保険料負担が増す中小企業側は反発。政府は撤廃を見送り、「51人以上」への緩和を2段階で行うことで中小企業側に理解を求めた。3月3日には閣議決定に持ち込めたが、ちょうどこの頃、新型コロナウイルスは世界を席巻。世界保健機関(WHO)は同月11日に「パンデミック(世界的大流行)」と認定した。

 パートに多くを頼る外食業者などでつくる日本フードサービス協会は時を同じくして、自民党に「倒産の危機に直面する」として「101人以上」「51人以上」への拡大時期をそれぞれ最低5年遅らせることを要望した。

 要望は受け入れられなかったが、こんな状況下で撤廃の是非など議論できるはずもなく、立憲民主党などの野党は、令和4年10月に「51人以上」、6年10月に企業規模要件を撤廃するとした修正案を4月にまとめていたが、政府案より企業負担が増える修正案を押し通すことはできなかった。

 次回の財政検証は6年の見通しだ。新型コロナの影響で働き方は一層多様化していることが予想される。それに見合った制度改正も必要だろう。改革の機運を止めてはならない。(坂井広志)

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