市場はこの会見をまさかだと思うだろうか?確かに市場はリーマンブラザーズが破綻するとは思わなかったし、金融安定化法が否決されるとも思わなかった。同じようにトランプが香港の優遇措置撤廃を指示し、香港から金融センターの機能を奪うとも思わなかっただろうか?この会見の影響が来月どこまで出てくるか、今は予想もつかない状態だ。
トランプ米大統領、香港の優遇措置撤廃を指示 国家安全法巡り
5/30(土) 4:31配信 ロイター
[ワシントン 29日 ロイター] – トランプ米大統領は29日、香港に対する優遇措置を撤廃するよう政権に指示したと明らかにした。香港の統制強化に向けた中国政府の「国家安全法」制定計画に対抗する。
トランプ大統領はホワイトハウスで行った記者会見で、中国が香港の高度な自治に関する約束を破ったとし、香港国家安全法制定は香港や中国、世界にとって悲劇だと批判。「香港に対する優遇策を撤廃する措置を取る」と述べた。
また、香港の自治の阻害に関与していると見なす人物に対し制裁措置を導入すると表明。犯罪人引き渡しから輸出規制にわたる広範な政策合意の制限に向け準備に着手するよう指示するとも語った。
さらに、同日中に声明を発表し、大学研究の保全に向け、リスクがあると見なす人物について中国から米国への入国を停止することも明らかにした。
中国全国人民代表大会(全人代)は28日、香港国家安全法の制定方針を圧倒的賛成多数で採択。ポンペオ国務長官はこれまでに、香港に対し米国内法に基づく優遇措置を認められないと議会に報告したことを明らかにしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce9d7c06fca5413a20c3abf2c93ca86ad05366ba
愛国日報の楽観的な予測また外れた
えええっ?結局、優遇措置を撤廃するんですか?ビックリしました!
ワトソン君もまさかそれはないだろうという考えを持っていたか?確かに昨日の昼に愛国日報がこういう記事を書いていて、まあせいぜい留学生数千人に対するビザ停止程度の軽い制裁で終わるだろうと思ったか?
トランプ大統領、中国に漸進的制裁か?
5/29(金) 15:51配信 中央日報日本語版
トランプ米大統領が28日(現地時間)、中国が香港への国家安全法制導入を採択したことについて「中国が気に入らない」と述べた。また「29日に会見を開いて我々が何をするかを発表する」と予告した。
米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は「必要なら、香港に対して今後は中国と同様の扱いをしなければいけない」と述べて特別地位の剥奪を示唆したが、発表を1日延期したトランプ大統領が査証(ビザ)・金融制裁から漸進的な対応戦略を選択するという見方も出ている。
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ポンペオ国務長官が前日に議会に「香港はもう特別待遇を保証する自治権を享受することができない」と通知したものの、特別地位の剥奪を決定できないのは、1300にのぼる現地進出企業を含めて香港と取引する米国企業が直撃弾を受けるからだ。
米通商代表部によると、2018年の統計上、商品貿易の310億ドル、サービス貿易の23億ドルなど米国が333億ドルの貿易黒字を出す貿易対象だ。昨年も商品貿易で261億ドルの黒字を出した。対中関税を免除する香港の特別地位の剥奪は直ちに米国の貿易収支に影響を及ぼす可能性がある。
したがってトランプ大統領は代わりに中国のビザおよび国際金融システム接近に制裁を加えるなど相対的に軽い制裁に向かう可能性もあると、ロサンゼルスタイムズはこの日報じた。第1段階の貿易合意と習近平主席との個人的な関係は生かすために極端な「核条項」発動までは踏み切らないということだ。
対中強硬派のスティーブ・バノン元首席戦略官兼大統領上級顧問は同紙に「大統領は漸進的対応をしようと努力している」とし「正しいとは思わないが、大統領は多くの当事者から圧力を受けていて、習近平主席との関係を強く信じているため」と述べた。
これに先立ち香港特別区政府は声明を通じて「米国のいかなる制裁も『両刃の剣』」とし「香港の利益を害するだけでなく、米国の利益も損なうことになるだろう」と特別地位の剥奪を警告した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/bb09e6c781ab9dc2318ee9170820343040286e37
この記事もそうですけど、昨日の報道は全体的にそういう雰囲気だったので・・・。黒井さんは、そうは思わなかったですか?
なぜ俺が昨日わざわざ2019年特選記事で香港金融センターの件に触れたと思う?その情報が今は機密情報に近い扱いとなるから慌てて非公開にしたんだ。ワトソン君と香港経済について語ろうと思ったその時に過去ログの存在を思い出したんだ。
この記事の内容は、確かにもう本家では話せないですね・・・。去年とは、全然状況が違います。
愛国日報の記事もまさかそこまで厳しい制裁はしないだろう、そうすれば韓国経済は終わりだ、だから米国も打撃を受けるし”漸進的制裁”で勘弁してくれるに違いない…という希望的観測でしかなかったわけだ。結局トランプ政権のことは何も分かっちゃいなかった。
ボクは、ポンペオ国務長官が報告してから少し時間を置いたので、躊躇しているのではって思ったんです。
アジアの市場がすべて閉まった後でなければ影響が大きすぎると判断したのかもね。米国市場にはそこまで大きな影響が出なかったようだが、週明けからどうなるかは分からない。
5月29日のトランプ会見は歴史的なものとなった
この歴史的なトランプ会見をまとめている人がツイッターにいたからそのまま埋め込む。NY駐在の日経新聞記者だ。
https://twitter.com/goto_nikkei/status/1266452087296208897
WHOとの関係も終わるし、香港の優遇措置も撤廃するんですね・・・。色んな事が、同時に決まってしまいました。
米国市場では具体的な制裁の日時が出なかったという理由で一時的に買いが入ったようだが微々たるものだ。それにこの制裁で最も大きな損失を出すのは香港、次に中国と韓国、その後台湾や日本だ。週明けの相場が恐ろしいことになりそうだ。
香港から、資産が逃げますよね・・・。香港が、金融センターとして存在できなくなったら、混乱が大きいです!
何より懸念されるのはドルペッグ制の廃止だね。これはすでに多くの人が覚悟してると思うけど、優遇措置の廃止とはつまりそういうことだから。市場がこの認識をまだ持っていないのか、あるいは香港ドルを保有している企業が米国に少ないか。中国の富裕層が香港に資産を大量に保有しているという話も出てたし、やはり香港崩壊で中国が大打撃を受けると考えるのが正しいだろう。
香港優遇措置廃止が週明けにも米議会により実施される恐れ
だが中国はその損失をもいとわない姿勢を見せていたね。でなければ国家安全法の採択なんてしない。香港を倒すことで中国をも崩壊させるという手法そのものがすでに過去のものだからだ。
ここから先はネットユーザーの反応を見てほしい。まずは最初の漸進的制裁について触れた中央日報の記事から。
まとめました!
・香港直接の金融制裁は影響があるので、猶予期間を設けて実施では?アメリカ国内の中国政府親族の資産凍結を実施してほしい(60さん)
・ここで中国を叩くのは、香港を守るためにも絶対に必要(HTさん)
・香港の独立を支援すると発言するべき。中国がねじ曲げて解釈する(CUさん)
はいはい。全然分かってないね。トランプが何をしようとしているのかが分からないから、”香港を守る”とかいう発言が出てくる。今回の記者会見はそういう内容じゃないよ。猶予期間についても一切言及していない。コロマガ読者であればそういう認識は持たないはずだ。
「撤廃を指示」という事は、週明けにも実施されるって事ですよね?
そうかもしれないし、やはり少し時間がかかるかもしれない。それは分からないが、実際に香港の優遇措置を撤廃する作業をやるのは議会の仕事だと思う。次はネット掲示板を見てほしい。
まとめました!やっぱり、ネット掲示板の方が参考になる意見が多いです。
・関税の優遇ゼロはほぼ決まりなんだろうね。国際決済システムからの除外も検討って言われてた(I8さん)
・香港の優遇措置は、アメリカ議会の定義で香港ドルとアメリカドルの自由交換が含まれる。つまり香港ドルへの保障がなくなる(I8さん)
・中国は金を買い漁ってて、世界各国の商取引でアメリカドルが使われなくなっているのが現実(Q8さん)
・日本企業は全速力で中国から工場を撤退させるべき(PGさん)
・香港を経由した人民元からドルへの換金を止めるって事だよね(MTさん)
素晴らしい。パーフェクトだ。俺がほしいと思っていたコメントがすべて含まれている。これら一連の措置を決めるのが米議会ってわけだ。週明けにも何らかの決定が出されるだろう。そこからが本番かもね。
深刻過ぎる話なので、みんなあまり話したくない雰囲気ですね・・・。もう少し探してみます!
よろしく頼む。俺はこの件に対する愛国日報の反応を調べてみる。新たな展開があれば後でもう一度この話題を取り上げることにする。
分かりました!