国連安全保障理事会は29日、中国が香港への導入を決定した国家安全法制を巡り非公開のオンライン会合で協議した。会合後の声明でクラフト米国連大使は、中国の決定は「香港の高度の自治を破壊する」として方針転換を求めたが、中国の国連代表部は「内政干渉をやめるよう求める」と反論、非難合戦となった。
米代表部は27日、安保理に公開の緊急会合開催を要請したが、中国が拒否。米国と英国は28日、安保理に北朝鮮関連会合の「その他の案件」として香港問題を非公開で協議するよう要請する苦肉の策を取った。
クラフト氏は、一国二制度方式による香港返還を定めた1984年の中英共同宣言は「公式な条約として結ばれた拘束力ある重大な取り決め」だが「最初から空約束だった」ことが分かったと指摘。「安保理は中国共産党の国際法違反を許すのか」と訴えた。(ニューヨーク 共同)