新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県の湘南地区で、今夏の海水浴場の開設中止が相次いでいる。外出自粛ムードに加え、県が自治体や海水浴場組合向けに定めた感染防止対策ガイドラインが影響。「海の家は完全予約制」「砂浜に一定間隔の目印設置」の厳しい内容に、不満の声も上がる。
「ガイドラインの通り、感染拡大のリスクを抑えて開くのは難しい」。藤沢市にある3つの海水浴場組合のトップが1日、市役所で開設見送りを表明した。「どこかが開けば、そこに人が流れてしまう」と苦渋の表情。茅ケ崎、平塚両市と大磯町でも既に開設中止が決まっている。
鎌倉、逗子、横須賀各市と葉山町も1日、開設断念を発表。由比ガ浜海水浴場がある鎌倉市の松尾崇市長は記者会見で「今回の決定は戦後初めて」と悔しさをにじませた。