トランプ氏、必要なら「米軍投入する」 抗議デモに厳然措置要請 





ホワイトハウスを出るトランプ米大統領=1日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は1日、ホワイトハウスで記者団を前に声明を発表し、白人警官による黒人暴行死に対する抗議デモが全米各地で暴動化している問題で、各州の知事や大都市の市長に対し州兵部隊を投入して暴徒に厳然とした対応をとるよう要請した。トランプ氏はまた、州や市が強力な対応に消極的であれば米軍部隊を現地に派遣し、「問題を迅速に解決する」と表明した。

 トランプ氏は声明で、「私の職務は米国民の生命を守ることだ」と述べた上で、黒人男性を死亡させた警官らを「法の裁きにかける」と改めて強調。平和的な抗議デモについては支持する立場を打ち出した。

 トランプ氏は、自身を「法と秩序の大統領」と位置づけ、各地のデモがプロのアナキスト(無政府主義)集団に乗っ取られ、破壊や略奪が横行する「国内テロと化している」と指摘した。

 特に、極左過激勢力「アンティーファ(ANTIFA)」が先頭に立って暴力行為を主導していると非難し、「連邦政府のあらゆる権限を行使して暴動を鎮圧する」と言明した。

 トランプ氏はこの日、声明に先立ち各州知事らと電話でデモへの対応を協議し、一部の知事らの対応を「弱腰」と批判し、強力な法執行で「街頭を制圧すべきだ」と訴えていた。

 首都ワシントン(コロンビア特別区)のバウザー市長は1日と2日、午後7時から翌朝午前6時までの夜間外出禁止令を発令した。5月31日夜に暴徒化したデモ参加者が各地で略奪や放火などにおよんだことを受けての措置。トランプ氏は「31日夜の出来事は恥ずべき事態だ」と語り、外出禁止令を「厳格に実行する」と強調した。



Source link