米国防総省は2日、黒人男性暴行死事件に伴う抗議デモの激化を受け、陸軍の歩兵大隊など複数の部隊計約1600人を首都ワシントンへの派遣に備えて近郊に移動させたと発表した。トランプ大統領はデモの沈静化に軍の投入も辞さない考えを表明し牽制(けんせい)しているが、実際に首都に投入されればデモ隊との緊張激化につながると懸念されている。
ホフマン首席報道官によると、南部ノースカロライナ州の基地から歩兵大隊、同州と東部ニューヨーク州の基地から軍警察部隊が派遣され、首都近郊の基地への移動が完了したという。
ワシントンのバウザー市長は2日の記者会見で「米国の都市で米国人に対して軍を動員すべきではない」と語り、トランプ政権の強硬策に反対する立場を表明した。(共同)