新型コロナウイルス感染症に伴う秋田県の緊急経済対策で、第三セクターの秋田内陸線と鳥海山ろく線の貸切列車が1万円ちょっとからの料金で利用できるようになる。感染状況がこのまま落ち着けば県外利用者も対象になり、団体以外にお1人様やカップル、家族で、新緑の中を走る車両を独占できる。
県は利用が落ち込む両線への支援策の1つとして、貸切列車料金の半額補助を決め「早ければ6月末には利用できるようにする」(交通政策課)という。
秋田内陸線は、秋田内陸縦貫鉄道(北秋田市)が鷹巣-角館の約94キロ、29駅を結ぶ。通常の1両貸切料金は、お座敷・イベント車両が片道4万5000円、往復6万5000円、展望車両が片道5万円、往復7万円。
これが県の補助で半額になり、県民や県内団体だけでなく、感染状況が落ち着いていれば県外利用者も対象になる。北秋田市民と、市民が代表か所在地が同市の団体は、同市の半額補助もあるため、さらにお手軽な4分の1の片道1万1250円から、往復は1万6250円から利用できる。
「貸切車両は定時列車に連結して運行し、区間や往復の折り返し時間も自由に設定できます」と同社運輸営業課の斎藤美穂さん。
残雪の森吉山や阿仁川に架かる大又川橋梁、秋田犬や紙風船など5カ所の田んぼアートと、この時期の沿線はみごな景色に彩られる。所要時間は全線利用で片道2時間から2時間半。折り返し駅で車両を切り離し、観光や散策を楽しんで復路は別の列車に連結して帰ることもできる。
カラオケなどもあり、料理や飲み物は持ち込み自由で、予約時に仕出し料理や飲み物も注文できる。
「お1人様や恋人同士、赤ちゃんがいる家族など、少人数でも気楽に自由に貸切列車を楽しんでください」と齋藤さんは話す。