【北京=三塚聖平】トヨタ自動車が4日発表した中国市場における5月の新車販売台数は、前年同月比20・1%増の16万6300台だった。販売活動の本格化や市場回復を受け、4月(0・2%増)を大きく上回り2カ月連続のプラスを達成した。日系自動車メーカーの中国販売の回復傾向が鮮明となっている。
トヨタは、昨年10月に新型車を投入した多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」などの販売が好調だった。新型コロナウイルス流行の影響を受けて2月には約70%減と大幅に悪化していたが、5月の好調はこれまでに消化しきれなかった需要が一気に解消されている側面もあるとみられる。
5月の中国販売では、マツダが31・6%増と大幅に伸ばしている。ホンダは1・7%減と、ほぼ前年並みの水準にまで減少幅を縮めている。新型コロナ直撃で、各社とも中国販売は記録的な悪化に見舞われていたが、中国政府による販売刺激策もあって回復傾向を見せている。
ただ、各国での感染拡大に伴う世界経済の悪化懸念により中国経済の先行きにも警戒感が広がっており、どこまで自動車市場の回復基調が続くか不透明感も漂っている。