3、4月に東北の太平洋沖で広がった親潮の面積が、昭和57年の統計開始以降、最も小さかったことが、仙台管区気象台の観測で分かった。親潮は栄養分を多く含み、豊かな漁場を育む。気象台は「親潮の変化が三陸沖など北日本の不漁に大きな影響を与えている」としている。
気象台によると、今年3、4月に太平洋沖で観測した親潮の平均面積は、平年の35%の4万7千平方キロ。これまで過去最小だった平成28年同時期(7万8千平方キロ)と比較しても60%にとどまっている。
寒流の親潮は、毎年1月ごろから千島列島に沿って南下し、3~4月ごろには宮城沖付近まで達して最大になる。ところが、今年は三陸沖に周囲より海水温が高い「暖水渦」が滞留し、親潮が南に流入しにくくなっているため、1月から面積がほとんど大きくなっていない。滞留の原因は分かっていないという。