【ロンドン＝板東和正】米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスによる英国の死者数が５日、４万人を超えた。死者数は米国に次いで世界で２番目に多い。感染者数は約２８万５千人で世界４番目の多さ。死者数の増加には、外出制限の遅れなど、ジョンソン政権による初動対応のつまずきが背景にあるとみられている。
ジョンソン英首相は３月中旬ごろまで、人口の一定割合がウイルスへの免疫を獲得することで感染を抑制する「集団免疫」の手法を目指していた。医療現場の負担を考慮し、３月２３日に外出制限を開始する方針に転換したが、イタリアやフランスなどに比べて出遅れた。英調査会社ユーガブによると、ジョンソン政権の支持率は３５％。不支持は４４％と９ポイント上回っている。
英政府は今月１５日から、百貨店など、ほぼ全ての小売店が営業を再開する方針だが、外出制限の緩和による感染者の急増が警戒されている。
一方、ハンコック保健相は５日、白人警官による黒人暴行死事件を受けた抗議デモが欧米で広がっているのを受け、新型コロナの感染拡大を防ぐために、大規模なデモには参加しないよう呼びかけた。
