言わずと知れた元首相、田中角栄の生涯を描いた漫画。昭和9年、三国峠を越え上京した15歳の少年・角さん。人にコキ使われたりだまされたりしながらも懸命に働くのは、「俺はこの国の宰相になる」という野望があるからだ。19歳で会社を起業。新興財閥のトップから目をかけられ始めた矢先、召集令状が届き…。
『ムダヅモ無き改革』『大魔法峠』などギャグに定評のある著者だが、今作はいたって真面目(ときおり片鱗が見えるが)。歴史上の人物となった、毀誉褒貶(きよほうへん)入り交じる“今太閤”をどう描くのか。まさに続きが「気になる!」漫画だ。(大和田秀樹著、秋田書店・630円+税)