歌手の吉川晃司(54)が地上波の連ドラに初主演する「探偵・由利麟太郎」(16日からフジテレビ系でスタート、後9・0)は、ゴールデン・プライム帯の連ドラをカンテレとしては34年ぶりに“オール関西”で制作。「影の軍団 幕末編」(1985年10月期)以来となり、スタジオセットからロケまで歴史ある東映京都撮影所と再タッグを組み、すでに全撮影を終了している。
同作品は、金田一耕助シリーズで知られる横溝正史が世に送り出した戦後初の本格長編小説「蝶々殺人事件」を含む「由利麟太郎」シリーズを初めて連ドラ化した。
吉川演じる主人公・由利は、元警視庁捜査一課長という経歴を持つ白髪の名探偵。そんな由利を敬愛し、助手としてバディーを組むのが、志尊淳(25)演じるミステリー作家志望の青年・三津木俊助。
由利の捜査方法は「ひたすらに事件現場を観察し続けること」。寡黙で冷静沈着、その洞察力と論理的思考は天才的である。そんな男を演じる吉川は今年デビュー36年を迎えた。最近は俳優として「下町ロケット」(2015、18年、TBS系)での財前部長役が高く評価され、「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」(18年、WOWOW)ではドラマ初主演も果たした。
吉川は今回のオファーに「面白い挑戦だな、と。普通のドラマをやるなら僕には声をかけないでしょう」と笑いつつ、「由利は心の奥底に深い孤独を抱えながら人生をさすらっている男。せりふよりも横顔や後ろ姿で彼の生きざまを醸し出せれば。ちょっと不思議な手触りの作品になっていると思う」とホラーミステリー作品の名探偵に手応えを感じている様子だ。
その吉川から「勘がよく、頭の回転も速い。せりふの量では淳が主役(笑)」と絶賛された“動”役の志尊は、共演に「吉川さんはミュージシャンとしてのパフォーマンスはもちろんのこと、一人の人間としても何てかっこいいのだろう、ついていきたいと感じていた僕の気持ちと、由利先生についていきたいと思う三津木君の気持ちがリンクしているように感じた」と期待をふくらませた。
共演は田辺誠一、どんぐり、木本武宏(TKO)ら。
(産経デジタル)