暗号資産(仮想通貨)ビットコインの取引所を運営していた「MTGOX」のデータを改竄(かいざん)し、口座残高を水増ししたとして、私電磁的記録不正作出・同供用の罪に問われた同社元代表取締役、マルク・カルプレス被告(35)の控訴審判決で、東京高裁は11日、懲役2年6月、執行猶予4年とした1審東京地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
被告は、顧客の預かり金を着服したとする業務上横領罪でも起訴されたが、1審判決は同罪の成立を否定し、横領部分は無罪が確定している。控訴審で弁護側は改竄を否定したが、後藤真理子裁判長は「水増しは、会社の破綻を避けるために行った架空のビットコイン取引を隠蔽する目的だった」と認定、弁護側の主張を退けた。
判決によると、平成25年2~9月、運営会社「MTGOX」(東京、民事再生手続き中)の取引システムデータを21回にわたって改竄し、口座残高を3350万米ドル水増しした。