【北京=西見由章】中国の北京市当局は15日、新型コロナウイルスの新たな発症者が14日に36人確認されたと発表した。13日にも36人確認されており、計72人のうち少なくとも70人が同市豊台区の「新発地卸売市場」と関連があるという。北京市幹部は市全域で感染を防ぐための「戦時状態」に入ったとの認識を示し、首都を震源とする第2波への警戒感が高まっている。
北京市当局は15日までに、豊台区の副区長や同市場幹部ら3人について、防疫対策に不備があったなどとして免職処分にした。
一方、中国当局は14日午後、同市場の周辺地域について警戒レベルを全国唯一となる「高リスク」に引き上げた。
市当局は14日、全市で約7万6500人を対象にPCR検査を実施し、59人の陽性が判明した。中国当局は統計上、発症者と無症状感染者を区別しており、59人のうち21人が発症者として計上された。5月30日以降に同市場を訪れた約20万人を対象に検査を実施する方針だ。
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナ感染症による死者は15日、世界全体で43万人余りに上った。感染者は790万人を上回っている。