大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人明浄(めいじょう)学院をめぐる巨額横領事件で、業務上横領罪に問われた元理事長、大橋美枝子被告(62)ら3人の初公判が16日、大阪地裁(坂口裕俊裁判長)で開かれた。3人はいずれも起訴内容を認めた。
この日初公判が開かれたのは大橋被告のほか、東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の元社員、小林佳樹(55)と不動産会社役員、山下隆志(53)の両被告。
検察側は冒頭陳述で、法人の経営を切望した大橋被告は、法人の買収費用としてプ社前社長の山岸忍被告(57)=同罪で起訴=から、個人的に18億円を借り入れたと指摘。さらに大橋被告は運営する高校(大阪市阿倍野区)の土地のほぼ半分を約32億円でプ社に売却し、手付金として法人に支払われる21億円をもとに、山岸被告に18億円を返済するスキームを考案。結果、1億円以上の利益も手にしたとした。
起訴状によると、大橋被告らは共謀して平成29年7月ごろ、高校の土地の売買契約後、手付金として法人に支払われた21億円を横領したとしている。
法人は今年3月、大阪地裁に民事再生法の適用を申請したほか、4月にはプ社などとの売買契約を解除したと発表。現在、別の学校法人などから再生計画の提案を受けている。