握手ダメ?事務所は危険? 都知事選「感染予防」の戦い



東京都知事選挙のポスター掲示板=16日午後、東京都新宿区(萩原悠久人撮影)

 18日に告示される東京都知事選(7月5日投開票)で、出馬を予定している各陣営は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮した選挙戦の準備を進めている。テレビ会議システムを使った「街頭演説」などが計画される一方で、「候補者の生の声を聞きたい」といった要望も有権者からあり、集票に効果的な「握手」がためらわれるというジレンマも。対策と支持拡大の両立に知恵を絞っている。

密集回避…演説は「Zoom」で

 「基本的に街頭演説は行わない。候補者が来るとなれば、人が集まってしまうので…」

 ある陣営の選対幹部は、コロナ感染拡大対策についてそう説明し、告示当日の18日に動画サイト「ユーチューブ」で候補者のチャンネルを設ける考えを示した。生中継ではなく、収録済みの動画を配信するという。

 この陣営が頭を悩ませているのが、選挙事務所だ。「事務所で感染者が出たときに、責任が取れない。『激励に行きたい』と言われれば言われるほど、事務所を開くこと自体がリスクになる」と打ち明ける。

 別の陣営では、街頭演説などをビデオ会議ソフト「Zoom」で配信することを計画している。演説の時間や場所は事前に公表せず、大勢の人が集まらないよう配慮し、「Zoom街宣」をフル活用するという。ただ、「生で声を聞きたい」という地域の人には、感染防止策を徹底した上で対応する。

グータッチ、白手袋使い捨て…

 「有権者に握手を求められたら、グータッチなどをします」

 初出馬の新人陣営では、新型コロナで集会を開くことが難しいため、街頭演説を支持拡大の機会として力を入れる。演壇を降りてから握手を求めるのが選挙活動の定番だが、手を握り合うことは避け、互いのこぶしで触れ合う「グータッチ」で代替する。

 演説では、本人は当然マスクをするが、マイクにもマスクをかぶせ、マイクを握る白手袋は使い捨てにして、万一の感染拡大を防ぐという。事務所ではスタッフの検温を徹底し、訪問者にも消毒をお願いするとしている。

 街頭演説で支持者を引き付けてきた別の立候補予定者は、「コロナ禍でこれまでのような選挙は難しい」とこぼす。「集会や街頭などの現場で、人と離れてください、それなら大丈夫と呼び掛けるとか、一回やってみないと分からない」と当惑した表情で語った。



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