エジプト、モスク閉鎖は過激思想阻止の好機か ISは影響力拡大狙う

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 【カイロ=佐藤貴生】新型コロナウイルス感染阻止のため全土のモスク(イスラム教礼拝所)が閉鎖されたエジプトで、信徒に生じた心理的変化を宗教改革に活用するべきだ-という見方が報じられている。エジプトのシーシー大統領は世俗派の代表格である軍の出身。モスクの閉鎖で信徒間の交流が遮断されたことを好機ととらえ、過激思想の拡散阻止に生かす政府の狙いがうかがえる。

 エジプトの政府系英字紙アハラム・ウイークリーは今春、「コロナはイスラム改革を促すか」と題する論評を掲載した。金曜にモスクで行われる集団礼拝は聖典コーランにも記述がある重要な信仰行為で、それを政府が禁止したことは「信徒の集団心理や信仰の態度、振る舞いの変化を促進する」と述べた。

 そして、近年のスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカーイダの台頭にふれ、政府の判断は過激思想に対抗する「強力な態度表明」だという見方を示した。シーシー政権はエジプト北東部シナイ半島でIS系組織の掃討作戦を続けている。

 エジプトでモスクの使用と集団礼拝が禁止されて今月下旬で3カ月になる。政府は7月初めにコロナ対策を見直す方針で、穏健な信徒に考慮して礼拝の制限を緩和する可能性もある。

 ただ、コロナ対策は世界のイスラム教徒の信仰上の義務行為にまで影響を与える公算が大きい。

 聖地メッカを抱えるサウジアラビアは7月下旬、信徒が一生に一度は行うべきだとされる「大巡礼」(ハッジ)のシーズンを迎えるが、集団感染を懸念する当局は全面禁止するか、例年の2割程度に巡礼者を抑える方向で検討している(ロイター通信)。

 一方、コロナ感染拡大を受け、イスラム過激派の側でも影響力拡大に利用しようとする動きがみられる。

 ISやアルカーイダは欧米のキリスト教国を念頭に、「感染拡大は神が敵に与えた罰だ」と主張した。ISはモスク閉鎖に協力したイスラム教指導者は「政府と連携している」との批判も展開している。政治と宗教界の分断を図る狙いがありそうだ。

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