参議院選挙で一躍中堅政党へと躍進した参政党。その中で首都東京から66万8000票を得て当選したさや氏(本名:塩入清香氏、43)は、2024年7月29日から6年間の議員活動を開始しました。選挙戦最終日には「私をみなさんのお母さんにしてください」と聴衆に訴えかけたさや議員ですが、実は3年前の参院選では国民民主党からの出馬準備を進めていたとされています。しかし、この国民民主党からの公認の有無については、関係者間で証言が真っ向から食い違っており、その真相が注目されています。
さや氏(塩入清香)の選挙活動中の様子。参政党からの当選後、過去の国民民主党からの出馬計画が話題に。
水島総氏が語る「国民民主からの出馬計画」
「元々国会議員になりたい気持ちはあったようなので、最善の道を選んだのではないでしょうか」。さや氏についてこう語るのは、「日本文化チャンネル桜」の水島総社長です。保守系政治団体「新党くにもり」の代表も務める水島氏は、「SAYA」の名でチャンネル桜に出演していたさや氏と長年にわたり交流がありました。しかし、2022年の前回参議院選の前にさや氏と経済評論家の三橋貴明氏が水島氏を訪ねてきたことを機に、さや氏のチャンネル桜への出演は終了しました。
当選したさや議員を祝福しつつも、水島氏はこの間の複雑な経緯を明かしています。「二人が一緒に社長室にいらして『国民民主から出たい』と急に言われました。(その)つい数ヶ月前までは、さやさんは新党くにもりの事務所で『一生懸命手伝いをしたい』と話していたので、私は驚きましたよ。後から知りましたが、すでにその段階で(国民民主党から出馬するための)ポスターなども作成していたそうです」。三橋氏からは「ここ(新党くにもり)では国会議員になれない」「自分たちはあなたをお父さんのように思っている」「娘の言うことを聞いてやってくれ」と説得されたといいます。水島氏はこれに対し、「娘を変なところへ嫁に行かせるわけにはいかない。賛成はできない」と伝えたそうです。その後、他者の意見も聞き入れ、出馬はなくなったと水島氏は述べています。「気がついたら私のせいで出られなくなったかのようになっていたので、それは違うなと」(水島氏)。
2022年の参議院選で参政党は50人の候補者を擁立し、神谷宗幣代表が1人当選。比例区の得票率は政党要件である2%を超え、政党交付金を受け取る資格を得る政党となりました。その選挙でさや氏が新党くにもりを率いる水島氏と決別してまでも出馬しようとしたのは、参政党からではなく国民民主党からだったと、水島氏は語っています。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長による、「さや氏(塩入清香)の公認の事実はない」との回答を示す画像。
チャンネル桜での詳細な経緯説明
2022年8月、水島氏はチャンネル桜で、この出馬計画の経緯についてさらに詳しく説明しました。同年4月5日に水島氏を訪れたさや氏と三橋氏は、国民民主党から「出馬することになった」と報告し、水島氏の了承を求めてきたとのこと。これに対し、水島氏は「裏切り行為になる」「賛成したらおかしいだろう。今までわれわれが批判してきた野党から突然出るなんて」と不快感を露わにしたとされます。さや氏と三橋氏側からは、「国民民主は(当選の)可能性がある」と強く主張され、前述の通り“父親として応援してほしい”と懇願されたといいます。最終的に水島氏は「賛成はできないが、一人の大人として頑張れ」と伝えたそうです。
ところがその翌日、水島氏の元にさや氏から「社長、今回の参議院選挙出馬はあきらめます。くにもりも応援しています!娘より」という短いメールが届いたと水島氏は明かしました。水島氏は後日、自身の関係者が「チャンネル桜の分断にもなるからやめてくれないか」と説得し、さや氏がその場で出馬を取りやめると話していたことを知った、とも述べています。
まとめ
さや議員の過去の国民民主党からの出馬計画を巡る証言は、関係者の間で大きく食い違っています。水島総氏の詳しい証言からは、さや氏と三橋貴明氏が国民民主党からの出馬を目指し、水島氏の承認を得ようとした経緯、そして最終的に計画が断念された背景が浮かび上がってきます。一方、国民民主党側からの「公認の事実はありません」という回答は、この計画の公式な認可がなかったことを示唆しています。この食い違いは、政治の世界における水面下の動きや、候補者と政党間の複雑な関係性を浮き彫りにしています。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/9fa64ec325ec2fec8e2eb4b77c06728e6f23c5ee