東京都知事選が告示された18日、過去最多となった22人の立候補者らは、来月5日の投開票に向けて舌戦の火蓋を切った。新型コロナウイルス対策で有権者への訴えにオンラインの活用が目立つ一方、これまで通りに街頭演説や商店街を練り歩くため都内を転戦する候補も多く、コロナ禍で「手探りの選挙戦」を強いられながらも、熱のこもった初日となった。
れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)の第一声は新宿区のJR新宿駅南口。午前10時からマイクを握り、約1時間にわたり熱弁した。支持者らの記念撮影にも応じ、政見放送の収録へ向かった。聴衆らの密集を避けるため、演説予定を公表せずに動いている。
「公務優先」と「オンライン選挙」を掲げる現職の小池百合子氏(67)は午前9時半、自身のホームページで公開した事前収録の動画を第一声と位置づけた。昼には、港区の竹芝埠頭(ふとう)で新造客船の内覧会に出席。その後も街頭演説などは行わず、公務を続けた。
元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)は午前10時、新宿区の都庁前で第一声を上げた。午後からはネット会議で支援者らと都政課題について議論。夕方には港区のJR新橋駅前で支援を受ける野党幹部らと街頭演説を行った後、インターネット番組に出演した。
元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)は午前11時、感染が相次いで確認されている新宿・歌舞伎町で第一声。その後、中野や吉祥寺などJR中央線沿線の商店街を練り歩いて有権者らと交流し、午後7時過ぎには立川市のJR立川駅で街頭演説を行った。
NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は午前11時、同党推薦の他の2候補と都庁前で第一声を放った。午後5時から渋谷駅近くのファッションビル「SHIBUYA109」前で演説。その後、政見放送収録のため、渋谷区のNHKへと向かった。