小江戸・川越にレトロな電気バス コロナ挽回の観光起爆剤に





19日に運行が始まる国内初の「電気ボンネットバス」=18日午後、埼玉県川越市(竹之内秀介撮影)

 古い町並みを残し「小江戸」と称される埼玉県川越市で19日、国内初の「電気ボンネットバス」の運行が始まる。街の雰囲気に合わせたレトロな外観のバスが、代表的な観光スポットである「蔵造りの町並み」などを巡回する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受けた観光産業の復活の起爆剤としても期待が集まる。(竹之内秀介)

■振動少なく滑らか

 同市のバス会社「イーグルバス」が運行し、平日は1日1台、土日祝日は最大2台が市内を回る。

 導入される2台のバスはいずれも全長約7・5メートル、幅約2・4メートルで、1台は青色、他の1台は赤色を基調としている。導入費用は1台当たり約4500万円。中国から輸入した車両を改造した独自のデザインだ。

 イーグルバスによると、最大の特徴は静粛性で、ディーゼルエンジンのボンネットバスに比べて騒音が10~25%程度抑えられるという。1回の充電で約200キロ走行することが可能で、災害時はバスに蓄えた電力を外部に供給することもできる。

 18日は川越市役所で試乗会が行われ、振動が少なく滑らかな走りが披露された。試乗した川合善明市長は「川越の風情にとてもマッチしているバスだ。多くの観光客に気に入ってもらえるのではないか」と語った。

■「盛り上げるきっかけに」

 電気ボンネットバスは当初、3月28日に予定されていた「小江戸川越春まつり」に合わせて運行を始めるはずだった。しかし、感染拡大の影響でまつりが中止になり、バスの運行開始も見送られていた。

 イーグルバスの谷島賢社長は「最近は暗いニュースばかり続いていたが、このバスの運行開始が川越をもう一度盛り上げるきっかけとなれば幸いだ」と力を込めた。



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