金品受領問題に揺れる関西電力の株主総会が25日、大阪市内で開かれる。関電は新型コロナウイルスの感染防止策として、当日の来場を極力控えるよう呼び掛け、初めて株主向けにインターネット中継する。ただ、総会開催は問題発覚以来初めて。例年「脱原発」をめぐり3時間を超える長丁場となるが、今回、さらなる紛糾と、それに伴う長時間化は避けられない。(岡本祐大)
「あらゆる事態を想定しておかないと」。関電幹部によると、同社は今月中旬、総会のリハーサルを行った。株主からの模擬質問や、取締役候補者の選任が否決された場合など、さまざまなシミュレーションが進められた。
同社の株主数は3月末時点で29万5658人。感染を防ぐため、関電は株主の来場自粛を求め、総会をネット中継する。議決権の行使は事前に、郵送以外にスマートフォンやパソコンからも受け付けている。
ただ、総会は金品問題を直接、経営陣に質問できる場なだけに、少なからず株主が来場する可能性がある。関電は会場となるATCホール(同市住之江区)の座席数を約3500から約700へ8割減らして席の間を広めにとり、マスク着用や手指のアルコール消毒、検温への協力を求める。