【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は、現行憲法上は不可能な2024年以降の大統領続投を可能にする憲法改正が実現した場合、「次回の大統領選に立候補する可能性を除外しない」との考えを示した。21日に国営テレビが放映したインタビューで語った。
プーチン氏の発言には、自身が大統領を続投する可能性を示唆することで、露政界や経済界のエリート層の間で「ポスト・プーチン」をめぐる内部対立が起きるのを牽制(けんせい)するとともに、現政権がレームダック化することを避ける狙いがあるとみられる。
プーチン氏はインタビューで、次期大統領選への出馬を否定しない一方、「まだ何も決めていない」とも述べた。その上で、「それ(改憲)が達成されない場合、今から2年後には政権上層部は次期大統領探しを始め、本来の仕事をしなくなる。それを私は経験から知っている」とし、「後継者探しではなく、仕事をする必要がある」と述べた。
ロシアの現行憲法は大統領職を「連続2期まで」と定めており、現在連続2期目(首相をはさみ通算4期目)のプーチン氏は24年の大統領選に出馬できない。しかし今年に入り、露議会はプーチン氏の過去の任期数を帳消しにすることなどを盛り込んだ改憲法案を可決。7月1日に投開票される国民投票で、投票者の過半数が賛成すれば新憲法が施行される。国民投票は6月25日から1週間の期日前投票期間が始まる。