日本工作機械工業会が23日に発表した5月の工作機械受注確報によると、受注総額は前年同月比52・8%減の512億3900万円で、平成21年11月以来の低い水準だった。新型コロナウイルスの流行に伴う経済活動の停滞の影響で20カ月連続で前年同月実績を割った。ただ中国など一部の国では前月比ベースで増加に転じており、経済活動の再開を受け、受注回復の兆しが見えてきたようだ。
外需は前年同月比49・8%減の330億4700万円で、20カ月連続のマイナス。地域別ではアジアが33・9%減の186億6400万円、欧州が69・5%減の44億7200万円、北米が56・8%減の94億円。
いち早く経済活動を再開させた中国は前月比22・6%増で3カ月連続の増加。ドイツが4・0%増、イタリアも58・9%増とそれぞれ前月比で4カ月ぶりの増加。感染拡大が続く北米でも「航空宇宙や自動車関連などの受注が増加している。商談の遅延はあるが、キャンセルが多くはない」(米国製造技術工業協会)という。
内需は、自動車関連での受注減により、前年同月比57・4%減の181億9200万円にとどまった。日本工作機械工業会の飯村幸生会長は今後の受注の見通しについて、「5~6月を底として、経済活動の再開が本格化する7~8月には実需が動き出すのではないか」と語った。