海外からの「大巡礼」受け入れず サウジ 近代史上初





サウジアラビアのモスクで間隔を空けて礼拝する人々=5月31日(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアは22日、同国西部にあるイスラム教聖地メッカへの「大巡礼」(ハッジ)の参加者を国内居住者に限定し、海外からは受け入れないと発表した。今年は7月下旬に始まる予定で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて当局の判断が注目されていた。

 ハッジは礼拝や断食などと並ぶイスラム教徒の5つの義務の一つで、体力や財力がある信徒は一生に一度は行うよう求められる。ロイター通信によると、海外からのハッジへの参加禁止は近代史上初だという。

 ハッジには毎年、約250万人の信徒がやってくるが、サウジ当局は感染拡大を防ぐため、ごく一部の国民と国内在住の者に参加者を絞るとしている。

 ハッジと小巡礼(ウムラ)を合わせ、サウジは年間約120億ドル(約1兆3千億円)の収入を得ており、原油安に続く打撃となる。

 新型コロナの感染拡大で、世界最多の信徒がいるインドネシアやマレーシアなどはハッジに参加しない方針をすでに示していた。



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