韓国の不法占拠が続く竹島(島根県隠岐の島町)で明治期に行われていた日本人によるアシカ猟について、先駆者だった男性の孫の証言を収録した動画が26日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された。
外交問題を研究するシンクタンク「日本国際問題研究所」(東京)が企画し、動画による証言の配信は初の試み。ニホンアシカの生息地だった竹島の周辺では、明治30年代には同町の猟師らによるアシカ猟などが盛んに行われ、日本が自国領を主張する根拠の一つとなっている。しかし、当時の様子を知る世代の高齢化が進み、関係者も相次いで亡くなっており、貴重な証言を動画で後世に残そうと令和元年度から撮影をスタートした。
第1弾の証言者は、アシカ猟の先駆者とされる石橋松太郎さん(故人)の孫、佐々木恂(じゅん)さん(87)=同町=で、祖父から聞いたアシカの皮を敷物にしたり、島内で酒を造ったりした話などを14分間にわたり収録した。
皮を使った敷物は祖父のお気に入りで常に持ち歩いていたことや、竹島周辺で行ったアワビ漁では韓国人の海女7人を雇う費用を捻出するため苦労した話なども証言。竹島の酒は隠岐でよく売れ、祖父は「竹島は宝の島」と語っていたという。